2019年10月*読書日記
なんとか読了。感想はnoteに。
◇『オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家 ゾラ傑作短篇集』ゾラ 光文社古典新訳文庫
一年近く前に途中まで読み、最後の一話「スルディス夫人」だけ長らく未読だった。初ゾラ。読んだきっかけは、知人でゾラを好きだという人を2人くらい見掛けたから。全員あまり読書の趣味の合いそうなタイプではなかったけど、そんなに評価する理由はなんだろうと興味を持った。ゾラの代表作『居酒屋』は長編だったので、手軽に読めそうな短編集から手を付ける。
表題作の「オリヴィエ・ベカイユの死」は、なかなか面白かった。しかし何か他人の作品のようで我が事のような愛を感じられない。いつもこの「ものすごく好き」と、「面白いのに、すごいと思うのにあまり愛着が湧かない」の違いが何なのか本当に謎だ。ユルスナールを読んだときはいいと思ったのに。ちなみにユルスナールは私と好みの比較的近い人達が好んでいた。もう好みでしかないのか。
そういえば、ユルスナールもある人から好きだと聞いた。「知ってるかな?」といわれたけど、『源氏物語』オタはどこかで『東方綺譚』の花散里の話を聞くものなのだ。ドヤ顔で知っていると返した記憶がある。
ところで「スルディス夫人」。まあ大体こんな感じになるのかなという感じに話は進むのだが、ディティールや展開の上手さはさすがだ。同じ話を書きたがる人は多そうだが、こんなふうに仕上げられるのはゾラだからだろう。
オリヴィエ・ベカイユの死/呪われた家 ゾラ傑作短篇集 (光文社古典新訳文庫)
- 作者: ゾラ,國分俊宏
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/06/11
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (3件) を見る