読んだり書いたり

読んだり書いたり

ライター白山羊ひつじのよしなしごと

夏の終わりの夏オペラ

2018.9.1 日曜

 朝から掃除手伝いの日。いい汗かいて午前中を終える。
 しかしここのところ、早く寝れば5時台に目が覚めてしまう。たぶん体力的にそれ以上続けて眠れないんだろうけど、午前中に二度寝の眠気が来て困る。
 結局少し昼寝。
 夫とこの夏最後となろうかき氷を食べ、夕方からオペラへ。


【鑑賞】

オペラ『ナブッコ』 新宿区民オペラ(新宿文化センター)

 このところ英雄譚(ペルセウス的な)に飢えており、オペラの古典的類型的王子様役にかなり期待していた。前奏の管楽器の勇ましい音が加わると「英雄来る!」感が高まってテンションあがる。期待にたがわぬテノールでイズマエーレ登場。王子様声で良かった。
 あらすじを追っていると、イズマエーレとメゾゾプラノのフェネーナの善人役の二人が物語を回す役に思えたけど、ナブッコバリトン)とアビガイッレ(ソプラノ)でした。舞台も旧約聖書だし、信仰を回復するナブッコの活躍が見せ場。

 そしてアビガイッレは良かった。
 リサイタルでソプラノ歌手のパワフルさを観ていると、「病に負ける女(椿姫)」とか「天然色男に命懸けちゃう女(リゴレット)」だけでは惜しいと思っていたのだ。しかしちゃんと悪女役もソプラノに用意されたいたのね。アビガイッレは奴隷の子に生まれ、結局父親のナブッコから端に避けられてしまうが、持ち前のエネルギーを爆発させて過激な下克上に走る。イズマエーレを脅迫しながらその愛を迫るやりたい放題もいい(失恋しちゃいますが)。
 とはいえ、これでアビガイッレが勝つわけにはいかないので、最後は服毒して回心して果てるのですがね。

 楽しかった。
 特にこの公演は衣装が面白かった。アビガイッレの衣装は濃い朱色。ナブッコは王様パワーに溢れると深紅がプラスされ、王様パワー減ると水色。イズマエーレも水色。ザッカーリアはアビガイッレより濃い目の赤。フェネーナは濃い青。
濃い色は折れない人々。濃いほど折れにくい。イズマエーレは自己を貫いた後、葛藤する事になる。アビガイッレは最後に自殺を選ぶからかな。ナブッコの衣装色変化が面白かった。